よく4月に耳にする、「黄金の3○○」
このことについて、ご意見を頂いたり、聞いたりしてきて、
私の、私なりの「黄金の3週間」を意識してみました。
すると、少しずつ、集団に主体性が見え始めましたよ!
まず、始めにやったことは、
「あいさつ」「そうじ」の価値付けです。
何のためにあいさつをするのか、なんのためにそうじをするのかを、
伝え続けました。
「あいさつも、そうじも、あなたたちがハッピーになるためなんだ」
「だから、『しなくてはならないもの』ではなくて、『したいもの』なんだよ」
「だって、みんなハッピーになりたいでしょ?」
次に、やったことは、「宿題忘れ」の生徒へのアプローチです。
「なんでできなかったの?」「なんで忘れたの?」と
まず、子どもの状況を把握しました。
頭ごなしに、「なんで忘れたんだ!ペナルティーとして居残りをしなさい」とは
1回も言いませんでした。
「そう、そうだったんだ。でもね、なんで宿題をするかわかる?」
生徒に問いかけます。
「宿題を出されたからです」「学力を上げるためにです」とだいたいの生徒は答えます。
「誰のために宿題をするの?」と聞くと
「自分」ですと答えます。
そこで、「ちがうよ、仲間のためなんだよ。君の頑張っている姿は、仲間を勇気づけるんだ。だから、みんなのために、力を貸してくれよ」と優しく投げかけます。
そんなことをやっていると、本と水筒の紛失事案が発生しました。
今年赴任した学校は、内外からいわゆる「荒れ」の状況です。
教師は、「だれかが盗んだのではないか」となります。
このときは、まだ入学して1週間ほど。
そんなことするのかな?と思いましたが、
アンケートを学年で実施しました。
アンケートには、「このことについて感じたこと」という欄をつけていました。
アンケートを読んでいて、ハッとさせられ、次に私はニヤリと笑顔になりました。
アンケートにはこう書いてありました。
「確かに、盗んだのであれば素直に申し出て欲しい。でも、盗んだ人をせめるのではなく、なぜその人が盗むようなことをしたのか、環境について考えるべきだ」
素敵だと思います。
盗んだとしても、この子は、盗んだ子を叱るかもしれないが、恨まないでしょう。
そしてきっと、「どうして盗んだの?」と聞くでしょう。
そして、そんな環境にしてしまっている「私たちが悪いんだ。だから一緒に支えあおう」となるでしょう。
この視点って大事ですよね。
この内容を、翌日臨時で、学年集会を開き、紹介しました。
どれくらいの生徒に伝わったかは分かりません。
しかし、その日の放課後、たまたま別件で連絡をした保護者から次のような話をしてもらいました。
「帰宅時に電話すると、息子から話してきたんです。」
「下校中、お婆ちゃんから駅までの道を尋ねられました。」
「身振り手振りをしながら、一生懸命に教えました。」
「でも、おばあちゃんはよく分かっていないようでした。」
「『一緒にいきましょうか?』と伝え、2人は駅まで行きました」
「ホームのことを聞かれましたが、そこはわからないので、
『駅員さんに聞いてもらえますか』と伝えました。」
「お婆ちゃんからは、帰り道とは逆方向だったのにありがとうねと言われました」
ほっこりしますよね。
大人でもなかなかできないんじゃないでしょうか?
子どもだからこそできること。
当たり前のことが当たり前にできない大人が多い中、
当たり前のことが当たり前にできる子どもたちって素敵だなぁって
昨日は、前の夜に黒板に次のようなことを書いて見ました。
「入学して3週間。私は、毎日欠かさずやってきたことがあります。
なんだかわかりますか?」
「ヒントは、全員がハッピーになることです。」
朝の会では時間がなかったので、帰りの会で答えを聞きました。
「えーなに?」「毎日?」「ハッピー?しかも、全員?」
いろいろな考えがあがります。
ある生徒が気づきました!
「あっ!机並べじゃない!?」
「正解!!」
その日、生徒が下校した後に、教室に行ってみると、机が並んでいました。
私にとっての「黄金の3週間」は、
「生徒が、やるべき事の価値に気づき、主体的に動こうとする意欲を持たせる3週間」でした。
みなさんは、いかがでしたか??